その住宅【ダイマクション・ハウス】のこの軍事化は、“シェルター”としての住宅というフラー【バックミンスター・フラー】の考えと一致している。彼は繰り返し「“SHELL<scyld(shield)TER<trum(firm)”つまり露出あるいは危険から守り(covers or shilds)、安全、保護、避難の場所」としてのその言葉の語源的意味について言及していた。
Robert Koch(ロベルト・コッホ)(1843-1910)によって結核菌が発見されるまでの標準的な医学書→「好ましくない気候」、「あまり運動しない屋内生活」、「不完全な換気」、「日照不足」が結核の原因とされた。
Susan Sontag(スーザン・ソンタグ)(1933-2004)
「結核患者は環境を変えることで病状が好転する。──いや、治るとされる。結核は湿潤性で、湿っぽいじめじめした都会の病気であるとされた。体の内部がじめじめしているから(「肺の中の湿気」とは愛用された表現である)、乾かさなくてはならないというわけだ。」*1
戦後、ノイトラは他の建築家と同様に、20年代後半と30年代の身体的健康から精神、心理的健康へと最大の関心事を変えた。←Sylvia Lavin(シルビア・レイヴァン)『Form Follows Libido: Architecture and Richard Neutra in a Psychoanalytic Culture』
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Martha Rosler(マーサ・ロスラー)、『Bringing the War Home: House Beautiful』
1967年から1972年にかけてのフォトモンタージュのシリーズ。建築誌とデザイン誌からとられたモダンな郊外インテリアの一般的イメージと、新聞やライフのような人気雑誌からとられたベトナムの戦場からのニュース広告のイメージを組み合わせている。(Cleaning the Drapes、Vacation Getaway)
『House: After Five Years of Living』(1955)→ファスト・ カッティング(fast-cutting)の技術。この技術は『Glimpses of the USA』の中でよりいっそう発展させられている。それは情報伝達の厳格な論理の周りに組織されている。デザイナーの役割は特定の情報の流れをデザインすることである。中心的な原則はひとつの圧縮である。……マルチスクリーン映画の空間は、コンピュータ空間のように、物理的空間を圧縮する。
『Glimpses of the USA』について、あるジャーナリストは「情報の積みすぎ──選び出したり拒否したりできないほど速く見る人に対してやってくる、関連のあるデータの雪崩……12分間の集中爆撃」と述べている。見る人は圧倒されている。何よりも、イームズ夫妻は感情的な反応を望み、それらの内容物によるのと同じぐらいのイメージの過剰さによって創作した。